経済学部のゼミ

経済学部のゼミの多くは、現代の日本経済の状況や企業経営の実際をテーマとする「実学」を重視したゼミです。フィールドワークやデータ分析を通して、テーマを深く掘り下げる過程で、経済学の専門知識に加えて創造性やプレゼンテーション能力、リーダーシップを涵養し、社会で通用する確かな力を身につけます。
国際金融、外国為替市場
ドル円レートを実際に自分でレート予想をすることで、その背後にある経済のメカニズムと世界の政治経済情勢を学びます。
日本経済、経済政策
日本経済の持続的な成長にとって重要である企業の投資行動の研究
本ゼミでは、日本経済の課題について理解を深め、経済学を用いて課題解決に必要な経済政策を考えます。学びの進め方は以下の3部構成です。
第1部では、日本経済の現状と課題を学ぶために文献を輪読します。第2部では、グループにわかれて特定の経済政策の是非についてディベートを行います。ディベートを通して、賛否両論の異なる意見を戦わせることで違った角度から物事を見る目を養い、政策のプラス面だけでなく副作用があることを学びます。第3部では、関心を持ったテーマを一つ選び、グループワークで経済政策をまとめて発表します。現実経済の分析には統計データが重要です。データに基づく地に足の着いた議論をめざしています。
産業振興政策、中小企業論
多様な経済環境下における企業?行政の経済活動を実証的に研究
経済活動は、家計?企業?政府という3つの主体によって成り立っています。
本ゼミでは、企業活動と自治体(政府)の政策をあわせて学び、それぞれが経済に果たす役割や相互の関係性を理解することで経済活動全体への洞察を深めます。また、過疎地域とベッドタウン地域など異なる地域の経済活動を比較します。それぞれの地域の発展段階や課題、取り組みの「差」に着目し、資料やデータの分析、現地調査を行うことで日本経済が持つ多様な経済実態を読み解く力を養います。さらに、地域に根ざした企業活動にも着目し、大企業に限らない中堅?中小企業が果たす役割や発展可能性について学び、日本の企業活動全体に対する理解を深めます。
環境経済学、SDGs
環境経済学の視点からSDGsについて学び、その実践として発展途上国の児童給食費を募るため、NPO法人「TABLE FOR TWO International」と協力し、学食で寄付つきヘルシーメニューを提供する 「TABLE FOR TWO」活動および企業と協働して学内リサイクル活動を行っています。活動を通して社会人基礎力を向上させ、希望進路(就職?進学)に就けるよう支援を行っています。2025年度は、他大学と連携して「東京都と大学との共同事業」に参加し、特産品を生かしたメニュー開発による地域振興にも取り組んでいます。
社会保障論
日本と世界の社会保障の現状と課題に関する研究
本ゼミでは、私たちの生活に欠かすことのできない社会保障について学びます。日本の社会保障の現状だけでなく、その歴史的背景や世界の動向についても学ぶことで、広い視野から日本の社会保障が抱える課題を理解し、その解決策を考える力を養います。具体的には、文献をていねいに読みながら社会保障の基礎的な知識を習得したうえで、個人やグループで関心のあるテーマを探究し、プレゼンテーションやディスカッションを行います。学生同士が協力しながら学びを深め、コミュニケーション力を磨きます。ゼミ活動を通して、学生一人ひとりがこれからの社会のあり方について真摯に考え、行動するきっかけをつかんで欲しいと思います。
環境経済学、エネルギーの経済学
環境問題と経済、エネルギー問題と経済、再生可能エネルギーなどの研究
大平ゼミでは、ゼミ生が中心となって環境問題やエネルギー問題の研究を行っています。ゼミ生の関心事から研究テーマを決め、論文をまとめ、研究発表を行うことを目標に活動を行っています。 研究を進める際は、地域での取り組みに着目しています。例えば地球温暖化のような地球規模の問題に対しても、地域の中でできることは何か、どういう取り組みが地域に貢献できるのかという視点を意識しています。また、担当者の研究フィールドである福島県の再生可能エネルギーに関する研究も進めていく予定です。福島県は「再生可能エネルギー先駆けの地」としてさまざまな取り組みが行われており、フィールドワークを通して地域の取り組みを研究していきます。
観光振興、地域経営
人口減少地域における観光を活用した持続的なまちづくり
ゼミでは地域を観光で元気にする研究をプロジェクトベースで行います。年度初めに対象地域を学生が選定し、複数回のフィールドワークを行い地域が抱える問題や課題を抽出します。それをもとに学生が主体的にかかわることのできる方策を考えだし、実行していきます。ゼミはチームに編成して役割分担を明確にし、各リーダーのもと計画的にプロジェクトを進めていきます。実際に、プロジェクトがうまく進行しないことや、地域の課題に応じて方向性を転換することも必要になり、そのような時には常に立ち止まって議論を重ねます。こうした経験から、観光まちづくりという分野の知識のみではなく、チームビルディングやプロジェクト?マネジメントなど、社会人になってから必要となる力を早期に身に着けてもらうことを目的としています。
足利市 "あしかが?ストロール"
那須塩原市 "ナスグラム" (近郊観光として那須町など周辺も含みます)
公法学、立法学
立法過程論?立法技術論
衆議院法制局や国立国会図書館など、国会に置かれる機関で永年働いてきた実務経験を生かし、我が国の議員立法や諸外国の憲法の立法過程、議員修正案の議決方法に関する研究を進めています。研究テーマの例として、「諸外国は下院選挙において各地域の代表を確保するためにどのような工夫をしているか?」「諸外国の議会規則において、審議中の議案の文言を変更する修正案の議決ルールがどのように形成され、発展していったのか?」といったものがあります。また、2年生のゼミでは「地域おこし協力隊など地域づくり人材をめぐる制度はどうなっているか」をテーマにフィールドワークを実施し、その成果をポスターやレポートにまとめています。
イノベーションマネジメント、ビジネスデザイン
イノベーションとビジネス構想の技法を用いた地域課題の解決
少子高齢化、デジタル?トランスフォーメーションなど地域を取り巻く外部環境は大きく変化しています。前例踏襲では停滞感が増すばかりです。
本ゼミでは、「地域を元気にするイノベーションをデザインする」をテーマに、地域社会や地域企業が直面する問題の原因を探求し、解決策を構想するための方法論をグループ演習を通して学びます。課題発見力、解決に向けての創造力、他者と協働するコミュニケーション力、粘り強くやり抜く力を養います。また、フィールドスタディや地域課題に取り組む社会起業家、企業、自治体との共同ワークショップを行うことで、「いま?ここ?現実」に立脚した実践力を身につけることをめざしています。
財政学、財政政策、地方財政
地域や人づくりを支える財源問題、対人社会サービスに関する研究
政治、経済、社会は財政によって結びつけられています。財政を知れば社会全体に対する理解を深めることができます。私たちは生まれてから亡くなるまで、そして起床してから就寝するまで、財政と関係しています。宋ゼミでは、あらゆる問題を財政の観点から読み解いていきます。詳細な研究課題はその時のゼミ生で決めます。指導教員も含め、全員で文献の輪読を通して知識をインプットしながら課題を固めていきます。同時に財政クイズ、ボードゲーム、高大連携、ゼミ合同合宿、大学内外の発表会などのアウトプットを通して理解を深めていきます。インプットとアウトプットを組み合わせることにより、身につけた知識を能力に変えていきます。
社会安全技術論、応用地理学
地域防災、災害科学、被災者支援、防災教育、地理情報科学
本研究室では「地域?安全」を基本テーマとして、主として都市空間や災害による被害や支援、復興、防災の課題を考究しています。頻発化、複雑化する近年の災害に対しては、従来の概念や枠組では対応に限界があることが指摘されてきています。今後に向けては自然?理工学と人文?社会科学を統合した複合領域からのアプローチとして「社会技術(Social Technology)」の構築が求められており、そのための具体的な方法論として、「地図とデータで考え議論する(Think and say it with Map and Data)」姿勢と「歩く?見る?考える」実践の双方を重視しています。
地方自治法、行政法、公共政策論、地方行政論、地域計画論、リスクマネージメント
中央政府、自治体をとりまく実践的な課題についての研究(法学博士として)およびイギリスの政治?地方自治の研究(バーミンガム大名誉フェローとして)
最初に教育?福祉?環境?産業など広い政策を展開し国の歳出規模を上回る地方公共団体の権能、統治構造、住民自治、財政について、担当教授から国の行政官として経験を聞き合わせてイギリスの政治について勉強します。そして、「人びとのために生きる公務員に挑戦」をテーマに宇都宮市消防局、栃木県庁、自治医科大学、宇都宮市議会、茂木町、足利銀行などを訪問し、自らの夢と希望をもち、ふるさとの第一線で働く姿に触れ、意見交換をします。また、ディベート演習やスピーチコンテストも行い自分の意見を的確に表明できる訓練も楽しく行っています。
経済社会思想史 西洋経済史
戦間期フランスの事例研究を基に、企業?社会組織の多様性を追究する
教員の専門は戦間期フランスを中心とした西洋経済史?経済社会思想史ですが、ゼミの学生には地域活動(ボランティア、ソーシャルビジネス)の現場を体験してもらい、地域の諸問題(少子高齢化、過疎化、etc.)を理解すると共に、会社員や公務員とは異なる形での社会との関わり方、すなわち「社会参加の多様性」を理解してもらいます。具体的には、栃木県内のいくつかのNPO団体の協力の下、その活動に参加し、そこから得た知見を、グループ形式でのプレゼンテーションやディスカッションを通して、大学生を含む若者が地域活動により積極的に参加するようにするためのアイデアとしてまとめ、それを学内外に提案?発信します。
農山漁村、社会調査
農山漁村社会の実態把握に関する研究
現地調査に対して、抵抗や不安のある人が少なくないと思います。しかし、実際に現地を訪れ見聞きしたことを考察することで、現代社会を生きる上で重要な多くのことを学ぶことができると、私は考えます。私自身、現地を訪れ聞き取り調査などを行う中で、物事の考え方?コミュニケーションの方法など、多くのことを学んできました。地域経済学科は、現地調査を行う上で理論?実践の両面において非常に恵まれた環境にあります。本ゼミでは、栃木県那珂川町などで調査を行うことで、農山漁村社会の実態について理解を深めることを目標とします。本ゼミでの学びを通して、自ら進んで地域課題に取り組める人材となることを期待しています。
都市、地域計画
計画?まちづくり思想の歴史的展開、都市?地域政策の空間分析、防災型土地利用計画と災害復興政策
計画理論と実践の研究として、都市開発?交通施設整備?土地利用等の物的計画(physical planning)に加え、産業政策やまちづくり?コミュニティ計画を含む広義の地域計画を扱っています。特に計画策定?実施(planning process)において、「誰がなぜ?何を発議し、如何なる計画案(plan)を策定し、目標はどこまで達成できたか」という視点から計画の系譜を追い、検証のための調査分析の課題を検討しています。特に東日本大震災からの復興は、人口減少や高齢化等の発災前からの課題と、集落移転や産業再生等の新たな課題が交錯した状況下で進められており、その実態報告や政策提言?被災地支援などを進めてきました。
都市社会学、社会調査
都市の公共空間に関する社会学的研究
都市は多様な人びとが多数集まる場所です。しかし、隣人も街ですれ違う人もよく知らない人ばかりで、そこでの人間関係は希薄であることが普通です。関係を持たない者同士がたくさん集まるというのは、ある意味で非常に不思議で不自然なことです。そうした状況を可能にしている都市という社会の仕組みを研究します。
鍵となるのは不特定多数の人びとが集まる公共空間です。公共空間を成り立たせるものは何か。そこにあるさまざまな仕組みを解明することで、私たちが暮らしている都市社会のことをより深く理解することを試みます。このような学びを通して、魅力的でにぎわいある公共空間を作るための知恵を身につけていくことをめざしています。
経済学(特に国際貿易論)
自由貿易協定、原産地規則
自身は、自由貿易協定で設定される原産地規則がもたらす経済的効果について研究活動を行っています。そのため、本ゼミでは、上記の専門分野?研究内容や、本学科の教育目的をふまえ、「地域と国際を結びつける」というテーマを設定して活動しています。具体的には、3年次では国際経済学(特に国際貿易論)のテキストの輪読を行います。4年次では、履修者それぞれが設定したトピックで卒業論文の執筆を行います。
人口地理学
若年層を中心とした国内人口移動、地域資源を活用した地域活性化
日本の地方圏の大半では、人口減少や人口の高齢化が進んでおり、地域経済が衰退する一因となっています。その大きな要因が、進学や就職などによる若者の流出です。若者が地域にどの程度残るかは、その地域の将来性を図る一つの指標といってもいいでしょう。本ゼミでは、Uターンなども含めて若者が地元に残るにはどのような解決策が必要かを考えます。一方で、国内には地域資源を活用して地域の活性化に結び付けている事例もみられ、そうした取り組みは将来的に、その地域に若者が残る可能性を秘めているとも考えられます。そうした観点から本ゼミでは、学生自らが地域の課題を設定し、解決策を導くための調査研究も実践していただきます。
経営戦略論、経営組織論
本ゼミでは、実践的な能力を身につけることをめざしています。そこで、企業の方をお招きして課題を出していただき、その課題解決法をグループワークで考案して企業の方の前でプレゼンし、インターンや就職した時に必須である実践的な企画力やプレゼン力などを鍛えています。そして、毎年開催される「ビジネスプランコンテスト」に必ず参加することで、他のゼミと切磋琢磨しています。また、複数の企業の方に来ていただき、集団面接の時などに必要なコミュニケーション能力を鍛える「企業人との交流会」なども行っています。さらに、就活対策としてゼミの先輩を招いて先輩の体験談などを聞く「先輩との交流会」も開催しています。
会計学、租税法
企業会計と法人税法の関係性について研究しています。
本ゼミでは、グループワークを中心に、前期には企業会計の基本的な教科書を輪読し各グループに報告をしてもらい、ディスカッションを行っています。後期も同様にグループワーク主体となりますが、扱う教材は租税法の基本的な教科書です。前期後期を通して、企業会計および租税法の基礎的な知識を習得するとともに、グループワークを通して協調性、社会性、そしてプレゼン能力の向上をめざします。また、日商簿記や公認会計士、税理士といった会計学関連の資格取得や、国税専門官をはじめとする公務員、財務や経理といった民間企業への就職支援なども積極的に行っています。
産学連携での商品企画開発、学生主体でのマーケティング戦略立案
地域活性化を視野に入れた産学連携での商品企画開発やマーケティング
こんにちは、三竝ゼミにようこそ。グミやサプリメントで有名な大手お菓子メーカーや、京都の京漬物老舗などと一緒に商品企画開発に取り組んだり、カンボジアの大学で開催されるお祭りに模擬店を出店して、現地の大学生と共同で日本食を販売したりしています。また、広島県の宮島では、地元の大学生と一緒にクリスマスマルシェを開催したりと、本ゼミでは国内外のいろいろな場所でさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。教室で学んだことをゼミ生が現場で実践し、プロジェクトの中心となって現地の企業や自治体の方と一緒に力を合わせると、たくさんの温かな笑顔が生まれます。あなたもぜひ仲間になってくださると嬉しいです。
会計情報学、デジタル?アカウンティング
ビジネスインテリジェンス、ロボティック?プロセスオートメーション
本ゼミは、デジタルに強い人材として活躍できるよう、会計データの処理と分析に関する知識を身につけることを目的としています。具体的には、会計情報学の基礎理論を学習すると共に、会計実務で利用する多様なアプリケーションを扱えるようになることをめざしています。3年次前期は「会計データの分析」に焦点を当て、チームワークによりExcelとBI(ビジネスインテリジェンス)を用いたビッグデータの前処理や可視化、統計的な分析方法を学びます。3年次後期は「会計データの処理」に焦点を当て、クラウド会計とRPA(ロボティック?プロセス?オートメーション)の実習を通して、会計データの処理を高度化する方法を学びます。4年次には各人が興味のあるテーマでデータ分析を行い、卒業論文を執筆します。
マーケティング戦略、経営戦略論
M&Aがもたらす暗黙の共謀
本ゼミでは、「因果関係を深く考える力」を養うことを主目的とし、その訓練の場としてマーケティング戦略や経営戦略の分析に取り組みます。前期では「なぜこの商品がヒットしたのか」「なぜこの企業の業績がよいのか」などについて、新聞記事をもとにグループディスカッションを行ったり、学生の任意の商品?企業をグループで分析し、プレゼンしてもらうことで因果関係を読み解く力を磨きます。後期は、前期にグループで行った分析を個人で行うことで、仮説検証とフィードバックを重ねながら、論理的な思考力と伝える力を高めていきます。
観光まちづくり論、歴史文化資源利用論
歴史文化資源の利用を中心とした「観光まちづくり」
「観光まちづくり」といっても、地域が異なればその手法は大きく変わります。なぜならば、人間と同じように、歴史や文化を背景とした「個性(キャラクター)」は、地域によって違いがあり、それぞれの特性を生かしたやり方を考えなければならないからです。
本ゼミでは、東京都多摩地区?千葉県中山地区?長野県野尻湖周辺?静岡県富士宮市柚野地区などをフィールドとして、地域の歴史文化資源利用を中心とした「観光まちづくり」を考えます。より実践的な提案ができるように、実際に現地を取材し、地域の方と交流することを通して実情を理解することを重視します。こうした得た経験や知識は、社会人になってもきっと役立つことと思います。